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2018 月を待つ ワイン・データシート

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1969年にドイツで開発されたケルナーは、葡萄交配の大傑作と言われる葡萄品種。現在、ドイツをはじめオーストリア、日本の北海道などで栽培されています。私たちはケルナーが持つ、華やかな香り、瑞々しい酸、豊かなフルーツに魅力を感じ、余市の契約栽培農家さんに栽培をお願いしています。
2018年、余市の藤澤さん、荒さん、才川さんの葡萄畑からは、豊かな香りと酸を持つ素晴らしいケルナーが収穫できました。このケルナーの果実の力を逃がさないよう、足利の醸造場では13℃から20℃で野生酵母で醗酵させ、フレッシュさを維持するために、ステンレスタンクを主体に6カ月間熟成しました。「2018月を待つ」はやや甘口の果実味豊かで清々しい酸を持つきれいな味わいの白ワインです。
名前の由来は「出る月を待つべし、散る花を追うことなかれ」という江戸時代の中根東里の言葉から名付けました。この清貧の儒学者が佐野にひらいた村塾の壁書にこの言葉があったそうです。(磯田道史著「日本人の叡智」新潮新書) そういえば、“Here Comes The Moon ほら、月が顔を出すよ”という名曲もありました。さあ、お月さまと一緒に、この自然のエレガンスをゆっくりと楽しみましょう。

テクニカル・データ
品種: ケルナー 97%
ソーヴィニョン・ブラン 3%
畑: 北海道余市 荒農園 藤澤農園 才川農園(ケルナー)
北海道余市 才川農園(ソーヴィニョン・ブラン)
収穫: 2018/10/15, 19, 23, 27  11/01

収穫時の糖度(平均)約23.5°Brix

醗酵: 葡萄を選果した後、やさしくプレスして得られた果汁をステンレスタンクに入れ、約13~20℃の温度で野生酵母によって約2カ月~5カ月半ゆっくりと醗酵させた。一部は酵母醗酵後樽に移し、MLF(マロラクティック醗酵)を促した。
熟成: 醗酵が長引いたワインを除いて、樽(3樽)・ステンレスタンクで約4カ月熟成。澱引き・ブレンド後、2カ月追熟。
瓶詰: 澱引き後、ろ過を行いながらビン詰。
ビン詰日:2019/06/12   本数:10,255本(750ml)
アルコール:13.0%   酸度:0.60 g/100 ml   残糖:1.8 %
このワインについて
テイスティング・
コメント:
グレープフルーツ、砂糖漬けのレモンピール、白桃の香りに加えコリアンダーシードやアカシア、温度があがるとハチミツ、紅茶のニュアンスも加わり複雑。甘みがあり、なめらかな口当たりで溶け込んだ丸みのある酸がしっかりあり余韻も長い。時間が経過をしても力強い印象で単なる甘口ではなく飲み飽きない酸や落ち着いた渋みもある。
料理との相性: 蒸し鶏ときくらげの和え物、アスパラガスオランデーズソース、舞茸の天婦羅、焼鳥せせり、蒸し鮑を肝ソースで、蕪とイタリアンパセリのエミュルション、蕪の蟹あんかけ、ゆきやなぎ(那須高原今牧場)、わらび餅、グレープフルーツのジュレ
飲み頃: 今から2021年ごろまで、フレッシュな果実味のある味わいが続く。2022~2026年、熟成によるオイリーさと香ばしさがでてくるだろう。冷やし気味の温度(10℃)から、室温に温度を上げつつ、変化を楽しんでいただきたい。

2019/08/05

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