2017 プティ・マンサンF.O.S. ワイン・データシート

 

「気候変動に負けない適地適品種のワイン用葡萄をつくる」そんな願いを実現すべく、20世紀から21世紀にかけて、私たちは世界各地のワイン産地を訪れ、フランスの南西部、ピレネー山脈の麓でプティ・マンサンに出会うことができました。このジュランソンの地でつくられるプティ・マンサンのワインは驚くほどの凝縮感と余韻の長さを持っていました。強い酸味に対し味わいのバランスをとるために甘さをしっかり残した原産地のワイン。足利ではきっと酸味が適度に残りバランスのとれた白ワインになるのではないか・・・。そんな予測から私たちはプティ・マンサンの栽培をはじめました。
この「こころみシリーズ 2017プティ・マンサンF.O.S.」は、1950年代に開墾されたこころみ学園の葡萄畑の下段に、2006年に植えられたプティ・マンサンからつくられました。プティ・マンサンは粒が小さく、ワイン用葡萄の中でも果皮が占める割合が多い品種です。そこで、この葡萄をすぐに圧搾しないで、赤ワインのように果皮の成分を生かしてみたら別の魅力が引き出されるかもしれない、そう考え、プティ・マンサンを果皮と一緒に醗酵してみることにしました。オレンジワインとしてご評価いただくようになった甲州F.O.S.(Fermented on Skins)をつくってきた経験もこのこころみを後押ししました。また発酵はクヴェヴリのような大きな甕(かめ)で、野生酵母で行いました。この大甕は栽培スタッフの友人による益子焼の特製です。プティ・マンサンの栽培と、醸し醗酵のF.O.S.と、益子焼の大甕のなかの醗酵・・・三つのこころみをお楽しみいただければ幸いです。

テクニカル・データ
品種: プティ・マンサン 100%
畑: 栃木県足利市田島 こころみ学園
収穫: 2017/09/25

収穫時の糖度(平均)約22°Brix

醗酵: 赤ワインと同じように葡萄を除梗し、ステンレスタンクまたは甕に入れ、果皮の様子を見てピジャージュしながら約10日間醸す。醗酵により出てきたアルコールによって果皮から成分が抽出された事を確認しプレス。その後、小樽に移し野生乳酸菌によるMLF(マロラクティック醗酵)を促す。
熟成: 醗酵終了後、樽で約13カ月半熟成。
瓶詰: 澱引き後、清澄せず無ろ過でビン詰。
ビン詰日:2018/12/20   本数:552本(750ml)
アルコール:12.2 %   酸度:0.52 g/100 ml.   残糖:0.15 %

 

このワインについて
テイスティング・
コメント:
色合いはやや曇りのある黄金色がかった濃いイエロー。落ち着いた外観。ドライアプリコット、黄桃など熟した果実とカモミール、ローリエ、ドライハーブの香り。ヨードや蜜ろうのニュアンス。旨味、塩味に加えしっかりと溶け込んだ豊富な酸が、ざらついたタンニンを包みこみとてもまとまりがよく複雑な余韻を残す。
料理との相性: 鰻の白焼き、鮭とば、鶏肉のソテー、ホワイトマッシュルームのサラダ、わかめのナムル、きんぴらごぼう、センマイ刺し、鯛の炊き込みご飯、トリッパのカツレツ、ジャークチキン、モロッコ風クスクス、ポレンタ、イカ墨のパエリア、雷おこし、ヌガーグラッセ、フロランタン
飲み頃: 2022年ごろまで、フレッシュな味わいが続く。2023~2027年ごろまでは、熟成によりタンニンがなじみ、味わいにより一体感が出るだろう。保存状態が良ければ10年以上の長期熟成も可能。温度によって香りの変化も大きいので10℃から16℃で楽しんでいただきたい。

2019/08/05

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