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スマート博士からのメッセージ
木を植える人へ
At the beginning of this new millennium I welcome the start of Coco's new vineyard project.
Combining in innovative fashion the latest ideas of viticultural research with the age old notions of terroir and careful, hands-on farming, the new vineyards are sure to bring pleasure to drinkers of high quality wine
for a long time to come.From
"The Flying Vine-Doctor" Richard Smart


新しい世紀のはじめ、ココの新しい葡萄畑のプロジェクトがスタートすることを心からうれしく思います。
葡萄栽培の研究によって生まれた最先端のアイデアと、古くから伝わるテロワールの概念や心をこめて続けられる手作業との融合による、革新的な方法を用いた新しい葡萄畑は質の高いワインを求める方たちに、末長く素晴らしいワインの喜びをもたらすことでしょう。
葡萄栽培コンサルタント リチャード ・スマート
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【スマート博士との出会い】
ココ・ファーム・ワイナリーは、“日本という気候のなかで、最高品質の葡萄をつくる努力を続けることが、ワインの品質を向上させることにつながる。”という考え方を基本のひとつにしてワインを醸造しています。醸造責任者のブルース・ガットラヴが、ココ・ファーム・ワイナリーでワインづくりを始めた最初の2〜3年、彼は日本での仕込みシーズンのピークが過ぎる3月頃から、仕込みのシーズンを迎える南半球のオーストラリアやニュージーランドに飛び、そこでワインづくり研究を行っていました。とにかくワインづくりに対して、集められる限りの情報を集め、常に新しい情報や研究を貪欲なまでに続けることが、彼自身の基本姿勢でもありました。そこで彼は、クラウディベイ(Cloudy bay)とケープメンテル(Cape Mentelle)のオーナー、デビット・ホーネン(David Honen)氏に日本でのワイン用葡萄づくりの難しさを話し、誰かよいコンサルタントはいないかと相談しました。
それに対するホーネン氏の答えはこうでした。
『日本のように、雨が多くて樹勢が旺盛になりがちで、病気も多い。しかも日差しがさほど強くはないところでの葡萄づくりなら、一押しで僕はドクター・スマート(Dr. Smart)を薦めるよ。ドクターの専門は、キャナピーマネージメント(Canopy management)と言って、どんな仕立て法がその土地に合っているかに始まり、春に出た新しい枝(新梢)をどうやって管理し、葡萄の房が太陽光線を最も有効に利用していけるための管理の方法をアドヴァイスすることだからね。日本のような気候で葡萄をつくってゆくには、ドクター・スマートの豊富な知識と経験は、きっと役に立つと思うよ。』
そしてそのあと、ホーネン氏はこう続けました。
『しかしなにしろ彼は、フライング ヴァイン ドクター(Flying vine doctor)というくらいで、世界中を飛び回ってコンサルタントをしているので、予約してから実際にコンサルタントを受けることができるまで、最低2年はかかるけどね。』
ブルースは日本へ戻ってさっそく、スマート博士へコンタクトをとりました。ココ・ファーム・ワイナリーのコンサルタントをお願いするために。そして6年後の1998年、『今年の夏は、日本を訪ねることができそうだ。』と、ようやく博士から返事をもらうことができました。1998年の夏を覚えていますか? 毎日まいにち雨 、雨 、雨 、・・・・・・・地球がどうかしてしまったのではないかと思うほどでした。私にとっても初めてのひどい夏でしたが、スマート博士に日本での葡萄栽培の大変さを伝えるには、たいへん都合のよい年でした。スマート博士の滞在可能な1週間という限られた期間で、ココ・ファーム・ワイナリーを始めとして新潟・長野・山梨と周り、日本の葡萄づくりの一片を博士に見てもらい、日本の葡萄づくりの課題をできるだけ理解してもらうことから始まりました。
初めてお逢いした時のスマート博士の第一声は、(もちろんその前に“こんにちは”くらいは言いましたが、)『なぜ、棚で葡萄をつくっているの? ココ・ファーム・ワイナリーの畑にこの棚づくりは全く合わないと思うけれど。』
この瞬間、私はただただア然として、『はあ??』と言ったきり返す言葉がありませんでした。だってこれまでずっと『雨の多い日本での葡萄づくりは、棚の上に葡萄をならせることで、地面から遠く離し、病気から遠ざけてやるために考えられた最高の方法である。』と教えられ続けてきたのです。
それなのに世界的に有名な“空飛ぶ葡萄の樹の博士”と呼ばれるスマート博士は、いきなり全く正反対のことを言い出すのです!博士は続けました。
『まず、頭上を覆っている新梢(canopy)によって、房にあたる太陽光線が遮られている。さらに下には草がはえていて(ココ・ファーム・ワイナリーの葡萄園は急な斜面にあり、土の浸蝕を和らげるために草生栽培を行っています。)、その草からあがってくる湿気で、棚の下の湿度はかなり高くなっている。おまけに畑一面が1枚のキャナピー(canopy)になっていて、途中で空気が通り抜けることがなく通気性もよくない。全てマイナスに働いている。これじゃわざと病気だらけの熟さない葡萄をつくろうとしているようなものだよ。』
“目から鱗が落ちる”という言葉がありますが、この説明はまさしくそうでした。とても完結で、しかもきちんと理論的です。何回かコンサルタントをお願いしているうちに、この時スマート博士がおっしゃったこの言葉は、“キャナピー・マネージメント”をとても完結に、しかも畑でからだを使って働くことを得意とする農家の人たちにも、非常に解かりやすく説明してくださった基本の理論であることを実感しました。
1998年以来、ココ・ファーム・ワイナリーは、毎年冬と夏の年2回、スマート博士に来日をお願いし、最高品質の葡萄をつくりだすための毎日をおくっています。スマート博士のアドヴァイスを受けながら、すくすくと成長していく葡萄の樹々たちの様子は、このホームページの“今月の葡萄畑・栽培部より”という項目でご覧いただくことができます。
さらに、“空飛ぶ葡萄の樹の博士”のアドヴァイスに留まらず、日本で、そして世界で同じように進歩をめざして日々を葡萄づくりに費やす人々から、たくさんの情報をいただき、その情報の意味をしっかりと理解して、ココファームのワインづくりに生かしてゆこうと思います。どうぞこれからも、よろしくご支援ください。
こころみ学園
ココ・ファーム・ワイナリー
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